侍ジャパン強化試合が実証した「大谷翔平はメジャーでも二刀流」説 (4ページ目)

  • 永塚和志●文 Nagatsuka Kazushi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 最近掲載された『MLB.com』のバリー・ブルーム記者の取材に、某メジャー球団のGMは、大谷を投手だけでなく打者として起用する可能性について、「30球団すべてがそうしても構わないと考えているはず」と語っている。

 ただし、大谷の打者としての能力を認めながらも、メジャーに行くにあたっては「投手で勝負すべき」と考えている者もいる。そのひとり、前出のジョーンズは次のように語る。

「彼の腕、あれほどのモノを持った選手はめったにいない。投げるたびに100マイルをマークするんだから。もし(指名打者制のない)ナショナルリーグのチームに行けば貴重な代打としても活躍できるだろうけどね」

 強化試合で見せたように、打者としてこれだけの才能を見せられると来年3月に行なわれるWBC本大会ではどっちで起用するのか――日本にとっては嬉しい悲鳴であると思うのだが、侍ジャパンの小久保裕紀監督は「嬉しいとはまったく思わない。むしろ悩みしかない」と苦笑まじりに話していた。

 大谷を獲得したいと思っているメジャーの関係者も、似たような悩みを抱えているかもしれない。大谷がメジャーでも「二刀流でプレーしたい」という希望を持っていたらどう対処すべきか、と。それほど打者としての才能を世界に見せつけるには、十分な強化試合だった。

プロ野球記事一覧>>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る