なぜそこに? 元セ・リーグ新人王・上園啓史が語る、オランダ野球事情 (5ページ目)

  • 阿佐智●文・写真 text&photo by Asa Satoshi

 実際戦ってみて、日本のプロ野球でプレーしても遜色ない選手はいたのだろうか。

「シーズン途中で体調を崩し、ナンバーワンのネプチューンズとの試合はいなかったんですけど、もうひとつの強豪チーム、パイレーツには投げました。まあまあいい選手がいるなという印象でした。ただ、当たれば飛びます。当たる確率がどうかという問題はありますが(笑)。もちろん、日本のプロでもやれるかなと思う選手は何人かいました。『一軍で』となるとわかりませんけどね。でも、独立リーグなら十分にできる選手はゴロゴロいますよ。チーム全体だと、いちがいに比べるのは難しいですが、強豪と呼ばれているチームで日本のファームぐらいのレベルですかね。そんなリーグですから、点差が開くことが多い。コールドもありますし」

 またスタジアムの雰囲気も日本とは違い、応援団もいなく、のんびりしたものだったという。

「ネプチューンズとパイレーツの2チームはしっかりしたスタジアムを持っていますが、ほかのチームはただのグラウンドみたいな感じですね。観客は200人ぐらいですかね。入場料も取っていないと思いますよ。クラブハウスがあるので、そこで飲み物なんかを買って観戦するんです。収益というほどのものはなく、野球好きのスポンサーからの資金で運営しているみたいです。僕がいた球団で年予算は2000万円ぐらいらしいです」

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