巨人に入る「台湾の巨人」、201cm右腕リャオ・レンレイの潜在能力 (3ページ目)

  • 阿佐智●文・写真 text&photo by Asa Satoshi

 ナショナルチームは日本と、プレーオフも含めると計5回対戦し、結果はナショナルチームの3勝2敗。リャオはこのうち4試合に登板し、失点したのは1試合のみ。日本のプロ相手でも十分に通用するところを見せつけた。

 特に、初めての対戦となった12月1日の試合はネット裏で見ていたのだが、2点リードの9回にリャオがマウンドに上がり投球練習を始めると、球場の空気が一変したのを鮮明に覚えている。

 おそらく、リャオの存在は台湾でもそれほど知られていなかったのだろう。それでも長身から投げ下ろす150キロ超えのストレートと高い軌道から大きく曲がるカーブは、日本の若手プロの選手を寄せ付けなかった。

 その日のスタンドは閑散としていたが、まさかのアマチュアチームの勝利に、地元ファンは歓喜の声を上げていた。だが、この勝利が奇跡ではなかったことを、台湾の人々はのちに知ることになる。

 ナショナルチームは2度目の対戦でも日本を下し、このときもリャオは日本を抑え込んだ。その後、ナショナルチームは日本に連敗してリーグ戦を2位で通過(日本は1位で通過)となったが、トーナメント制のプレーオフで勝ち上がり決勝進出。そこでまたしても日本を破り、ついにチャンピオンにまで上り詰めた。最後にマウンドに立っていたのは、もちろんリャオだった。

 現地の関係者の話によると、リャオは今年も開南大学でプレーしていたという。台湾のドラフトで指名されなかったところをみると、台湾のプロ野球にはあえて入団せず、国外のプロリーグとの契約のチャンスを待っていたようだ。

 はたしてリャオは、台湾発の"ジャパニーズドリーム"を叶えることができるのか。ドラフト史上「最高身長」「最高体重」の新人右腕に注目だ。

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