歓喜と悔しさを詳細にたどる、大谷翔平の「日本シリーズ8日間」 (5ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 西田泰輔●写真 photo by Nishida Taisuke

札幌ドームの今季最終戦をサヨナラ勝ちで飾った日本ハムナイン札幌ドームの今季最終戦をサヨナラ勝ちで飾った日本ハムナイン■10月27日(第5戦)

 この日も「3番・DH」で先発。6回にジョンソンから左中間に二塁打を放ったが得点には結びつかず、この日は4打数1安打。しかしこの日もドラマは1対1と同点の9回に待っていた。一死から田中賢介が四球を選び、犠打のあと中島卓也が内野安打で出塁。一、三塁となって岡大海が中崎翔太から死球を受けて激高。両軍メンバーがベンチから飛び出す騒然とした雰囲気で打席に入った西川遥輝が大仕事をやってのけた。

 カウント1−0から真ん中高めのストレートをフルスイングすると、打球は右翼席へ一直線。日本シリーズでは24年ぶり、史上2人目のサヨナラ満塁弾となった。これで日本ハムはシリーズ制覇へ、一気に王手をかけた。

「あの場面は(二死なので)僕には回ってこないので応援するだけでした。札幌での3試合は全部逆転勝ちで、そのうち2試合がサヨナラですよね。立ち上がりから先発投手に球数を投げさせる。とにかく先の塁に走者を進めてプレッシャーをかけることがチームとしてできている。先発投手に抑えられても、早く降ろしているから中継ぎから点を取れている。逆転勝ちが多いのは、決して偶然じゃないと思います」

 日本ハムはこの時点で第6戦の先発を増井浩俊と決め、先発予告を日本野球機構(NPB)に届けている。大谷の右足首の回復時間を少しでも多く取るため、大谷は第7戦に回ることになっていた。

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