歓喜と悔しさを詳細にたどる、大谷翔平の「日本シリーズ8日間」 (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 西田泰輔●写真 photo by Nishida Taisuke

■ 10月23日(第2戦)

 なんとしても連敗を避けたい第2戦だったが、先発・増井浩俊が1対1の6回に自らのミスも絡んで3点を失い、計4失点でKOされてしまう。打線も広島先発・野村祐輔の前に敵失で1点を返すのが精一杯。この日の大谷は9回一死一、二塁から代打で登場したが、広島の守護神・中崎翔太の前に空振り三振と期待の一打は出なかった。

「代打の準備は2、3巡目からしていました。あそこは長打を考えず前に飛ばすことだけ。野村さんの投球はよかったですが、ウチもやるべきことをやらないと。ひとりひとり自分の役割をしっかり果たせればチャンスはあるはず」

 真っ赤に染まる敵地に呑まれたのか、硬さの目立つチームは自ら勝機を手放し、まさかの連敗を喫した。

■10月24日(移動日)

 空路広島から札幌へ移動。日本ハムナインは基本的に移動日には全体練習をしない。大谷は、翌日25日の第3戦では指名打者での出場を予定。引退を表明している黒田博樹との対戦はこれが最初で最後とも予想されていた。

「黒田さんと対戦できるのは楽しみですが、誰々との対戦というよりもまず勝つこと。そのための準備をしていくことのほうが大事だと思います」

 午後に札幌市内の合宿所へと到着すると、隣接する室内練習場には姿を現さず静養にあてた。

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