岩本勉の日本シリーズ予想「日本ハムは負けても2つまで」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 西田泰輔●写真 photo by Nishida Taisuke

 10月22日、いよいよ日本シリーズが開幕する。パ・リーグからは4年ぶりに日本ハムが、セ・リーグは広島が25年ぶりの進出を果たした。ペナントレースでは、チーム打率、防御率、盗塁数などでリーグ1位を記録するなど、隙のない野球を見せた両チーム。日本一を勝ち取るのはどっちなのか。解説者の岩本勉氏にシリーズの行方を聞いた。

CSファイナルで驚異の打率.833をマークした田中広輔CSファイナルで驚異の打率.833をマークした田中広輔 まずは、日本シリーズ進出を決めたクライマックスシリーズ(CS)の戦いを簡単に振り返ってみたい。広島はDeNAを相手に4勝1敗(1勝のアドバンテージを含む)と快勝。第1戦でクリス・ジョンソンが完封勝利を挙げ、第2戦は野村祐輔が6回無失点の好投。野手陣も1番の田中広輔が打率.833という驚異的な数字を残すなど、シーズンの勢いそのままにDeNAを圧倒した。

 対する日本ハムは、前年王者のソフトバンクを4勝2敗(1勝のアドバンテージを含む)で退けた。なかでも、"二刀流"大谷翔平の活躍は圧巻だった。第1戦に「8番・投手」として先発し、投げて7回を1安打無失点、打って2打数1安打の活躍。2戦目以降はDHとして出場し、第5戦はDHから9回のマウンドに上がり、日本最速となる165キロのストレートを武器に三者凡退に抑え、日本シリーズ進出を決めた。

「広島は組織力の高さを見せつけたCSファイナルでした。先発、ブルペンが力を発揮し、打線もうまく機能しました。菊池涼介、丸佳浩、鈴木誠也といったチームの中心打者が不調でも、誰かがしっかりとカバー。ファイナルでは田中の驚異的な活躍が目立ちましたが、打線全体が湿ることはありませんでした。常に"いやらしさ"を持っており、シーズンそのままの戦いができたと思います。一方の日本ハムは、レベルの高い戦いを勝ち抜いた印象があります。CSファイナルにふさわしい戦いでした」

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