日ハム3位指名の豪腕・高良一輝。
超絶スピンはプロで炸裂するか?

  • 加来慶祐●文 text by Kaku Keisuke
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki


 オープン戦で2試合のマウンドを踏んで迎えた秋のリーグ戦。開幕節の九州工業大戦で先発復帰を果たした高良は、予定の5回を投げ切り被安打3、代名詞の奪三振は2ケタの11を数える好投で復調をアピールした。だが、大久保監督からは「制球力も球の力も彼本来のものではなかった」と厳しい評価を受ける。

 翌週の福岡工業大戦でも先発マウンドに上がったが、無失点のまま5回途中でまさかの降板。「右肩の張り」を訴え、不安を残したままベンチ奥へと下がっていく。

 チームは軽傷を主張したが、結局、復帰登板は3週間後の最終節に組まれた九州共立大戦にまでずれ込んだ。ここでも高良は先発して5回を投げ、被安打2、奪三振8と相手につけ入る隙を与えなかったが、チームは終盤に競り負けた。

 チームに勝利をもたらすことはできなかったが、高良はこの試合で最速146キロをマーク。直球に張っている相手から直球で空振りやファウルを奪い、有利なカウントで勝負に持ち込めていた。肩の違和感を抱いた後はノースロー調整が続き、登板1週間前にようやく投球練習を再開したばかりの復帰登板で、持ち前のスタイルをある程度は体現できていたといえる。

 その投球が、一時は悲観的な声も聞かれたドラフト指名につながった。会見で「小さい頃からの夢が叶った。入団してからが勝負なので、活躍できるように頑張りたい」と意気込みを語った高良。目標としても名を挙げた、同い年の大谷と並ぶようなエースに成長してくれることを願いたい。

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