日ハム3位指名の豪腕・高良一輝。超絶スピンはプロで炸裂するか? (2ページ目)

  • 加来慶祐●文 text by Kaku Keisuke
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki


 3年春に福岡六大学リーグで5勝0敗の好成績を挙げMVPに輝き、公式戦では2年秋から通算で68イニング無失点と無敵を誇った。3年春・秋にはベストナインにも選出され、4年春前に行なわれたソフトバンク三軍とのプロアマ交流戦では、5回をパーフェクト投球。大学のリーグ戦はもちろん、プロや社会人とのオープン戦を通じて、常時2ケタの奪三振率を記録するなど、4年間に高良が繰り広げてきたパフォーマンスは圧巻のひと言に尽きる。

 高良は興南高(沖縄)時代、偉大な歴史が打ち立てられた瞬間に立ち会っている。1年の夏に、史上6校目の春夏連覇、沖縄勢初となる選手権制覇の瞬間に、ベンチ入りメンバーとして加わっていたのだ。甲子園での登板は実現しなかったが、背番号18を付けて1年生で唯一のベンチ入り。優勝の瞬間は、まわりの先輩達の様子をうかがいながら、最後にベンチを飛び出して歓喜の輪に加わり、控えめに人差し指を立てていた。

「日本一のチームに入ってやっていけるのかと考えていた矢先、気がついたら夏の日本一を自分も経験することになったわけです。そもそも先輩方はやっている野球のレベルが違ったので、甲子園では雰囲気だけを味わっていたという感覚です。

 試合にも出ていないので下級生として雑用や声出し、練習のサポートなどで動き回っていましたが、日本で一番になろうとしているチームのなかで過ごした経験は、その後の自分にとっては大きなプラスになりました。試合に入っていくまでの準備、気持ちの切り替え方、勝った時の喜びを、あの時点で経験できたことは本当に大きかった」

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る