三浦大輔の引退試合でプロ初打席初本塁打、廣岡大志の「強運」 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

 ヤクルトのアップが始まると、まずはバレンティンが「ヤングボーイ! 18サイ? マイライフのツータイム」と声をかける。その横にいた坂口が「18かぁ」と感慨深げに話すと、少し離れた小川泰弘や三輪正義らが次々と廣岡に声をかける。時折、笑い声が起きるなど、みんな廣岡の一軍昇格を喜んでいるようだった。

 真中満監督の試合前の囲み取材も、廣岡の話から始まった。

「今日はスタメンで使います。一軍で何かを感じて、秋季キャンプや来年の春のキャンプで、目的を持って練習に取り組めるきっかけになればいいなと思っています。ファームで10本塁打を放っているようですし、一軍でも小さくならずにプレーしてほしいですね」

 廣岡のティー打撃が始まると、再び光山コーチが一軍ベンチから駆け寄ってきた。元教え子がバットを振るのを感慨深そうに眺めている。ティーが終われば真中監督のもとへ廣岡を連れて行き、「大志をよろしく頼みます」と頭を深く下げた。コーチ陣にも頭を下げ、その前にはベイスターズのラミレス監督にも頭を下げていた。

 練習後、廣岡の囲み取材が行なわれると、18歳は次のように語った。

「三浦投手とはファームで何度か対戦しています。コントロールがよくて、変化球でのボールの出し入れがすごいという印象です。通算成績は覚えていませんが、ホームランを打ちました。情報がまったくないピッチャーではないので、不安なく打席に入れると思います」

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