三浦大輔の引退試合でプロ初打席初本塁打、
廣岡大志の「強運」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

 廣岡はこの夏、神宮球場で一軍の練習を見学する機会に恵まれ、そのときに川端慎吾から心強いアドバイスをもらったという。

「川端さんに『試合でめっちゃ三振しているんです』と言ったら、『僕も1年目のときはファームでいちばん三振したし、今は思い切りスイングすることが大事だから、それでいいんだよ』と話してくださったんです。僕にとってはありがたい言葉でした」

 ベイスターズの試合前練習が始まろうとするときだった。一塁側ベンチから「大志!」という大きい声が聞こえたと思ったら、光山英和バッテリーコーチが小走りでやってきた。

「大志、思ったより早かったな。よかった、よかった」

 光山コーチはそう言って、廣岡を正面から抱きかかえ、満面の笑みを見せた。

「昨日、神宮で三木(肇)コーチに『大志を一軍に上げてくれ』と頼もうとしていたんだよ。結局、話す機会はなかったんだけど。でも、早く(一軍に)上がれたなぁ。本当に嬉しいよ」

 光山コーチと廣岡の関係は、「小・中学生のときのチーム(オール松原ボーイズ)の監督だったんです」(廣岡)ということだ。

 光山コーチがベイスターズのベンチに戻ると、廣岡は全体練習前のティーバッティングにも積極的に参加。ボールを上げていたのは杉村繁チーフ打撃コーチだった。

「今日は普通のティーでしたが、秋からは本格的(山田哲人や川端が行なっている10種類のティー)にやろうと言われています」(廣岡)

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