2016.09.26

ホークスを最強軍団に変える。
根本陸夫が果たした最後の仕事

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki
  • photo by Kyodo News

「僕自身、ホークスに帰ってきたわけですが、そのときに、根本さんはここに人材を遺されたと感じました。僕がどうとかではなくて、前監督の秋山さんもそうですし、なにより王会長がそうです。人であり、考え方であり、生き方を遺されたと思います」

 もうひとつ、根本が遺したものがある。「12球団一」といわれるホークスの宮崎キャンプである。

 高知から宮崎にキャンプ地が移されたのは2003年秋だが、根本は95年から同地に通い始め、宮崎市長と交渉を重ねたという。一軍と二軍が同時に練習できる環境は当時の日本プロ野球では先進的で、その環境がホークスの選手層を厚くしてきたことは間違いない。

 さらに、米球団のファーム組織を何度も視察していた根本は、「ファームが少なくともあとひとつはできないと」と構想していた。それは現在の3軍制度に受け継がれたといえないだろうか。

“根本遺産”というべきものが、3連覇を目指すホークスの強さを支えている。人材、組織、設備の充実ぶりを踏まえれば、今や「球界の盟主」と言っていい。

 最後に、王の言葉を掲げておきたい。

「おそらく、根本さんがいなかったら、まず、ダイエーホークスで終わっていたかもしらんね。ソフトバンクホークスになるまでつながっていないと思う。もちろんホークスだけじゃない。野球界全体に影響を与えた、という意味では忘れ得ぬ人だし、惜しい人を失ったと、今でも思う」

(=敬称略)

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