あっ、デューシーだ。フロリダで「日本野球」を伝える元助っ人たち (2ページ目)

  • 阿佐智●文・写真 text & photo Asa Satoshi

 特にレイズの本拠地があるタンパ湾周辺には、メジャーキャンプ地が集中しており、車さえあれば、デーゲームでルーキーリーグを、ナイトゲームでシングルAかメジャーリーグの試合をはしごすることもできる。

 このようにフロリダは野球の盛んなところだが、ダニーデンという町を知る日本人はほとんどいないだろう。セントピーターズバーグ近郊の住宅が並ぶ、まさにベッドタウンというべき小さな町だ。ここでは、かつて川﨑宗則も在籍していたトロント・ブルージェイズが球団創設から春のキャンプを行なっている。

 この住宅に囲まれた球場にやってきたフィラデルフィア・フィリーズのマイナーチームの一団に、懐かしい顔があった。1995年から2シーズン、日本ハムでプレーしたロブ・デューシーだ。

「元気にしているよ。日本でプレーしたのはずいぶん前になるよね」

 試合前のフィールドであいさつを交わすと、デューシーは気さくに応じてくれた。

 彼の雄姿を最後に見たのはアテネ五輪だと伝えると、笑顔でこう返してきた。

「あれが(選手生活の)最後だったんだ。やっぱり日本はいいチームだったよ。ジャパン、グッド! 日本ではホントにいい思いをさせてもらったよ」

 トロント生まれのデューシーは、地元・ブルージェイズに入団。メジャーデビューもこのチームで果たしている。いわば、このダニーデンの球場は、彼にとって思い出深い原点でもある。

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