ヤクルト逆転CS滑り込みへ、高校野球みたいな「チーム一丸」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 飯原誉士は"8月の巻き返し"について、三木肇ヘッド兼内野守備・走塁コーチの言葉が大きかったという。

「山田が登録抹消された日の試合でした(ナゴヤドームでの中日戦)。三木コーチが『いい準備をして、しっかりプレーすれば、このメンバーでも勝つことはできる』と。そこから3カード連続で勝ち越せた。主力が欠けてもなんとか踏ん張れているし、『今のメンバーでも勝てる』という手応えもつかめた。チームがより一丸となって戦っている感じがしますね」

 三木コーチは、そのときの発言について、次のように説明してくれた。

「たしかに、主力といわれる畠山、川端、雄平が抜け、山田まで抜けてしまった。でも、野球って選手が揃っていれば勝てるのかというと、そうではないんですよね。しっかりした準備、しっかりした野球をすれば、勝てるチャンスはたくさん転がっていると思うんです。選手たちは、そのチャンスがあることに気づくことができるし、それを生かすこともできるはずなんです。『主力がいないと弱いよなぁ』と言われるのは嫌じゃないですか。今いる選手たちで競争しながら助け合っていこうと。選手間の競争はチームを強くするひとつの要素でもありますし、選手たちはそこを理解してくれていますよね。ひとりでもそうした意識が欠けるとチームってまとまらないですから。それこそ"チーム一丸"と言えばいいんですかね」

 エースの小川泰弘もチームが一丸となったことで、「8月を乗り切ることができた」と話す。

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