セ・リーグ3位争いを藪恵壹が予言!
「CSに行くのは5位の阪神です」

  • 和田哲也●文 text by Wada Tetsuya
  • photo by Kyodo News


 ならばヤクルトが断然有利のようにも思えるが、ここで藪氏は「いえ、最終的にCS行きを手にするのは阪神だと思います」とキッパリ言い切る。

「決してOBだからということではないですよ(笑)。これはリーグが始まる前から言ってきましたし、現状についてちゃんと理由もあっての予想です。まずは、阪神とヤクルトが大きく負け越している広島戦が、阪神は残り2試合なのに対し、ヤクルトが5試合を残していること。苦手チームとの試合数が多いと、勢いが寸断されてしまいますからね。

 また阪神は、DeNAに対しては、ここまでの対戦成績が13勝5敗(1分)と抜群にいいんです。まだ直接対決が6試合も残っているので、そこを4勝2敗、5勝1敗でいけたらゲーム差は簡単にひっくり返りますから」

 実際に、8月も対DeNAには5勝1敗と圧倒。23日からの3連勝で0.5ゲーム差まで詰め寄ったこともあった。しかしその直後、ヤクルトに甲子園でまさかの3タテをくらい、続く最下位の中日戦でも藤浪晋太郎が初回7失点を喫するなど5連敗中だが......。

「確かにヤクルト戦の3連敗は痛すぎました。今年の阪神は甲子園での成績がよくないんですよねぇ......。8月はロードがあって甲子園での試合は6戦と少なかったんですが、全敗していますし。北條史也、原口文仁、高山俊といった若手が、自分たちへの熱狂的な応援に飲まれてしまって、縮こまっている印象を受けます。

 そこで必要なのがベテランの力。若手を引っ張る役割を担うべきは、福留孝介でもゴメスでもなく、現在控えに回っている鳥谷敬です。確かにバッティングの調子はよくありませんが、その分、守備の貢献度は大きいですし、下位打線にいるだけでも存在感が違う。北條をショートで使い続けたいなら、サードを任せてもいい。どんな状況でも黙々と仕事をこなす鳥谷をスタメンに戻せば、阪神のCS進出はぐっと近づくと思います」

 奇しくも、9月のDeNA戦はすべて甲子園で行なわれる。阪神は甲子園の応援をしっかりと味方につけ、藪氏の予言どおり逆転の3位浮上なるのか。まずは今日からのDeNA3連戦に注目だ。

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