長嶋超え、イチロー超え。山田哲人が挑む記録は「史上初」だらけ (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 セ・パ両リーグで本塁打王に輝いた経験のある解説者の山﨑武司氏も、杉村コーチと同じようなことを言っていた。

「山田は、常に自分 のいい形でバッティングができています。だから、完璧にとらえたホームランが多い。どんなバッターでもいい角度で、いい当たりをすればホームランになるん だけど、山田はその状態を常に続けている。だから、ポップフライのようなミスショットが少ない。技術は相当高いと思いますよ」

 そのバッティングを山田と二人三脚でつくり上げてきた杉村コーチは、次のように語る。

「一緒に練習して3年目になるけど、小さな取り組みの積み重ねが、大きな結果をもたらしたわけだからね」

 小さな取り組み――それは、毎試合前に行なわれる早出のティーバッティングであり、「週に6~7本のヒット」を目標にしてきたことだ。

「山 田は見ての通り、今でも謙虚で偉ぶらない性格だからね。だから、三冠王とか、50本塁打とかは頭にないと思いますよ。シーズン終盤になって、三冠王まであ と1本だったり、50本近く打つと狙う打ち方をするだろうけど......。とにかく今の目標は、山田の原点であるトリプルスリーだし、オレとしても2年連続でト リプルスリーを達成してほしい。40本塁打・40盗塁や50本塁打は、その結果のあとについてくるものですから」(杉村コーチ)

 シーズンが終わる頃、山田はどんな数字を並べているのだろうか。おそらく、これまでと同じように、我々の予想をはるかに超える記録をいともあっさりと達成しているのだろう。

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