セ独走の広島。最強カープ打線の秘密は「盗塁革命」にあった (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 西田泰輔●写真 photo by Nishida Taisuke

 DeNAのラミレス監督は、7月1日の広島戦の試合前にこんな話をしていた。

「広島の好調の要因はオフェンスにあります。盗塁数は(試合前の時点で)69個で、他のチームよりもはるかに多い。得点圏の場面がいつでもつくれますから、他とくらべて点を取る確率が高い」

 ちなみに、セ・リーグの盗塁数ベスト10のなかに広島の選手が5人もいる。田中がリーグトップタイの17個で、丸が12個、菊池、鈴木、赤松真人の3人が9個で続いており、キャッチャーの石原でさえも4個の盗塁を成功させている。昨シーズンの広島の盗塁数はリーグ4位の80個で、昨年を大きく上回るのは確実だ。前出の高コーチは言う。

「機動力の部分は、河田(雄祐/外野守備走塁)コーチが入ったことが大きいですね。盗塁を中心に『隙があれば次の塁へ』という意識がチーム全体に浸透しています」

 その河田コーチに話を聞いてみた。

―― 広島の盗塁数は他チームを圧倒しています。

「特別なことを言っているわけじゃないですけどね。ただ、チームには身体能力の高い選手が多く、なにより選手たちに意欲がある。これがいちばん大事なことなんです。選手たちはビデオを見たり、相手をよく観察しています。意欲がなければ『走っていい』というサインを出しても、スタートを切れない選手がいます。ここまでの盗塁数は、みんなの積極性が出ているということです」

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