苦闘する途中入団の外国人選手11名。
チームの「救世主」候補はいるか?

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

 ヤクルトのハ・ジェフン(外野手)は、韓国の高校を経てメジャーに挑戦し、マイナーで7年間プレー。今年は四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスでプレーし、30試合で打率.364、6本塁打をマーク。その打力を買われて途中入団を果たした。

 ジェフンは交流戦期間中の8試合に出場し、22打数6安打(打率.273)とまずまずの働きを見せたが、外国人枠の影響もあって、リーグ戦再開を前に二軍降格。身体能力が高く、年齢も26歳とまだ伸びしろはある。バレンティンは常にケガの不安がつきまとっており、この先、ジェフンに光があたるチャンスは十分にあるだろう。

 西武のフェリペ・ポーリーノ(投手)は、来日初登板となった6月18日のヤクルト戦の試合前に強烈なインパクトを与えていた。なぜなら、練習が始まると、なぜか真っ先にティーバッティングを始めたからだ。田辺徳雄監督はその光景を眺め、「野手みたいなスイングだな」とひと言。

 一方、肝心のピッチングは、最速153キロのストレートに、スライダー、チェンジアップを織り交ぜ、5回2失点(自責点0)と好投。勝ち投手の権利を得てマウンドを下りたが、チームは逆転負けを喫してしまった。試合後、クラブハウスへ続く通路のベンチに腰掛けたポーリーノは通訳が来るまでの間、顔を上げてはうつむき、何度も目をしばたかせていた。

「結果的にチームが負けてしまって残念なのですが、まずは一軍のマウンドに立ててよかった。野球をするということは、その環境でどう適応していくかということだと思っています。日本に来て3週間ほどファームでプレーし、日本の野球を少しずつ理解できるようになってきました。これからシーズンが進むにつれ、確実にいいピッチングができると思います」

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