今永昇太が語る未来「三浦大輔さんの年齢以上に野球を続けたい」 (4ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by ©YOKOHAMA DeNA BAYSTARS

―― とにかくスタミナですね。

「夏場は連戦が続くと、真っ直ぐの走りが良くないときもあると思うんです。キャンプからそこでどうするかを求めていて、まだ完璧ではないのですがようやくカタチになりつつあります。チームが苦しいときにそれを実行できれば、貢献できるのではないかと」

―― しっかりとそこでも先読みですか。満足していないと言いますが、これまでの登板を経て、さすがにプロでやっていく自信はついたのではないですか。

「いや、正直言って手応えや自信というのはまったく掴んでないですね」

―― はっきり言い切りますね。

「たぶんそれを掴むのは3年連続でいい成績を挙げたときだと思います。相手は僕のことを研究してくるわけですし、それを上回らなければいけないという不安が常にありますから」

――不安だからこそ練習し、自分と向き合う?

「まずは勘違いをしないこと。もちろんお山の大将のような心意気も大事だとは思うのですが、それ以前に僕はやらなければいけないことがたくさんあります。常に慢心することなく、試合に挑みたいですね」

―― どこのエースと話しているのかと錯覚しました。いやはや恐れ入ります。

「いえいえ、まだまだ。これからですよ!」

 非の打ちどころのない受け答え。思えば昨年のドラフト会議後、今永は会見で喜びのラミちゃんポーズをするなど、結構くだけたキャラクターだと思っていたが、野球に向き合い姿勢は誰よりも真摯であり、自分の立ち位置を見失わない。「ドラフトのときはやり過ぎちゃったというか、メディアの怖さを感じましたね。あれも僕の一面ではあるのですが、あそこで“ふざけたヤツ”みたいなイメージがついてしまったので、逆にこれを生かそうと。こういう一面もあるんだぞ!って」。そういうと今永は自然体の22歳らしい快活で眩しい笑顔を見せてくれた。

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