まさかのDeNA防御率トップを支える、ルーキー戸柱恭孝の安定感 (2ページ目)

  • 山口愛愛●文 text by Yamaguchi Aiai
  • photo by ©YOKOHAMA DeNA BAYSTARS

 DeNAには、5月に4連勝の左腕がもう1人いる。「ランナーをためても、思い切り腕を振れている」という2年目の石田健大。26イニング連続無失点という好投を見せた。

 今年のDeNAは、先発の層が厚くなっている。今シーズン4勝を挙げ、2.58の防御率(6月5日現在)に抑えている井納翔一は、「インコースを狙って当ててしまったらどうしようという怖さが、去年に比べてなくなった」と、好調の要因を分析している。

 昨年、リーグ最下位だった防御率は、現在リーグトップ、一時は12球団トップに立ったほどに激変し、生まれ変わった。投手陣から上がる声を集めてみると、安心して投げられていることがよくわかる。捕手への信頼。これが今季の安定した防御率を生む一番の強みになっているのではないだろうか。
 
 遡(さかのぼ)ること3カ月前。「10番(の選手)、いいね。リストが強い。あれ誰だっけ?」。報道陣が集まる、宜野湾キャンプのベンチでそう尋ねてきたのは、解説者で侍ジャパンのピッチングコーチも務める権藤博氏だった。

「ルーキーの戸柱選手です」と答えると、「バッティングもいい」と唸る。まだ正捕手争い真っ只中という時期だったが、光るものがあったようだ。その後も捕手たちのキャッチング練習を見続けていた権藤氏。

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