「無難な野球」を捨てれば、セ・リーグは交流戦でパ・リーグに勝てる!

  • 元永知宏●取材・文 text by Tomohiro Motonaga
  • photo by Jiji photo

──では過去に、セ・リーグとパ・リーグの対戦成績にこれほどの差が出たのはなぜなのでしょうか。

小関 それぞれの野球の違い──戦い方の違いだと思います。セ・リーグの球団はデータ重視で、安全志向。まず相手の弱点を突くことを第一に考えます。いわば"無難な戦い方"をするチームばかり。同じリーグの戦いならそれでもいいのでしょうが、パ・リーグ相手にそれでは分が悪い。4月、5月を無難に戦っていたセ・リーグチームの化けの皮がはがれるのが、例年の交流戦でした。パ・リーグの野球に押しつぶされたセ・リーグのチームがそのまま立ち直れず、シーズンを終えることも多かった。
 
──まさに昨年のベイスターズがそうでしたね。一方のパ・リーグの球団はどんな戦い方をしているのでしょうか。

小関 もともとDH制を採用していることもありますが、とにかく積極的です。初球からでもガンガン打ってきます。昔は、初球を打ち損じると「もっとじっくり見ていけ」と言われましたが、ファーストストライクを打つほうがヒットになる確率が高いのは明らかです。今のピッチャーはコントロールがよくて、変化球の種類が多くて、その精度が高い。ストレートとカーブしかなかった時代とは違います。

 だから、どんなにいいバッターでも、追い込まれれば打率が下がってしまう。それより好球必打を徹底することで、バッターはより積極的になり、その積極性がよい結果を生んでいます。思い切って打って、投げて、走るチームが勝つのが交流戦なのです。
 
──今年も昨年同様、各チームとの対戦は3試合ずつです。

小関 各チーム18試合しかありませんから、なかなか挽回することはできません。やられたら、やり返すことが難しい。そんなところも、相手の欠点を突くよりも自分の長所を武器にして、先手先手でいくほうが戦い方として合っているのではないでしょうか。


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