セの外国人スラッガーに聞く「なぜ山田哲人は本塁打を打てるのか?」 (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 2年前のセ・リーグのホームランキングであるブラッド・エルドレッド(広島)は、山田を初めて見たときのことを今でも覚えていると言った。

「じつにいいスイングをする選手だな、と思いましたね。私は彼のことを"パワーヒッター"という目で見ています。パワーヒッターには2つのタイプがあって、大きな体を使ってボールを遠くに飛ばすタイプと、スイングスピードを利用してホームランを打つタイプがあります。彼は後者ですね。いちばんの特長は、コンパクトに打っていくなかで、すごいバットスピードを生み出せること。正しいバット軌道のなかでボールを捉えることができ、選球眼もいいのでボール球に手を出さない。彼のスイングやホームランは何度も見ているので、今の成績に驚きはありません」

 エルドレッドは、ボールを遠くに飛ばすことについて、「話が逆になってしまうけど、遠くへ飛ばそうと意識しないこと」と言った。そして自身のここまでの成績(打率.339、14本塁打、32打点)については、「ボール球に手を出さず、相手投手を助けない打席を心掛けていることが反映されています」と分析した。

「私の場合は、飛ばそうという意識が強すぎると、必ず悪い結果になります。力みすぎてスイングするとポップフライになり、遠くへ飛ばそうとしてボールを前で捉えようとすると空振りしてしまう。私の体のサイズとパワーがあれば、ボールをしっかり捉えさえすれば打球は飛んでいくので、ヒットの延長がホームランという意識でやっています。でも、私はアベレージを残すというより長打を狙うタイプだと思っています」

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る