まさかの「交流戦セ・リーグ優位説」。パに勝ち越せるこれだけの根拠 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 高橋氏が言うように、DeNAの安定した試合運びは先発投手の成績を見ればよくわかる。

今永昇太 4勝4敗 防御率1.66(リーグ3位)
井納翔一 4勝4敗 防御率2.39(リーグ5位)
石田健大 5勝1敗 防御率2.51(リーグ6位)
※成績はすべて5月30日現在

 このほかにも、山口俊、モスコーソなど、先発した投手は開幕から全試合で5回以上を投げており、安定したピッチングで試合をつくっている。

「交流戦ではDH制の試合もあります。今の状態であれば、先発を終盤まで引っ張って、抑えの山崎康晃にダイレクトにつなぐこともできる。そうなれば勝機も高くなってきます」(高橋氏)

 山﨑氏は昨年のこの時期、「ベイスターズは勝つときは勢いに乗るけど、負け始めるととことん転げ落ちてしまう」と指摘し、まさにその通りの展開となったわけだが、「今年は昨年のようなことはない」と語る。

「ピッチャーの頭数が揃っているし、なにより防御率がいい。これだけ安定していれば、大きな連敗はないだろうし、昨年のようなことは考えづらい。開幕から不振の続いていた打線は、梶谷隆幸が戦列に復帰してから雰囲気が変わり、ロペスの調子も上がってきた。それよりも、今年は楽天が心配です。昨年のベイスターズのようになるかもしれません」

 また、これまで「カープの季節は鯉のぼりまで......」と言われてきた広島が、交流戦をセ・リーグ首位で迎えている。その原動力となったのは打線だ。菊池涼介、丸佳浩、エルドレッドの3人が揃って復活し、2000安打を達成した新井貴浩も好調を維持。さらに、田中広輔、鈴木誠也といった若手も成長。チーム打率.273は堂々の12球団トップを誇っている。

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