「分類不能の強打者」山田哲人の恐ろしさを、ライバルたちが証言

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

野村祐輔(広島/投手)

 野村は4月27日のヤクルト戦(神宮)でプロ初完封勝利を飾った。今シーズンは、ここまで山田に対して7打数2安打。ちなみに、昨年までの対戦成績は32打数12安打(2本塁打)、打率.375と打ち込まれている。

「スイングスピードも速いんですけど、まず打ち損じがないですよね。追い込まれても、簡単にアウトにならないですし、フルスイングというか、バットを最後まで振り切る。だから、バットの先とか根っこに当たってもヒットゾーンに飛ぶし、泳がされてもホームランになったりする。そこが一番すごいところです。他には、体の反応が優れているので、待っていないボールがきてもホームランにできる。彼の存在を感じたのは2年前で、他の大砲と呼ばれる選手たちと比べると、体は細いんですけど、ボールを遠くに飛ばす力がすごいと思いましたね。それに、僕のなかでは高打率を続けて残す打者がすごいと思っているのですが、山田はどっちもですから。そこにたどり着くまでに相当な練習をしていることもわかります」

石原慶幸(広島/捕手)

「キャッチャーからしてみれば、(山田は)インコースもアウトコースもうまく打てて、大きいのも打てるし、走ることもできる。すべてにおいて優れていますよね。カテゴリーでいえば……どう言えばいいのかなぁ。実際、ホームラン王も盗塁王も獲っている。今までのカテゴリーにはないし、その枠に当てはまらないところがすごいところでもありますよね。間違いなく、球界を代表するバッターだと思います」

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