貧打のDeNA。ラミレス流「ファーストストライク狙い」は吉か凶か (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― 1番打者ということで、ファーストストライクから打つことに躊躇したりすることはありますか?

「どのピッチャーも立ち上がりに不安があるので、球数を投げさせることも大事という考えはあります。ただ、立ち上がりが不安ということは、1球目はストライクが欲しいということで、ファーストストライクに甘いボールがくる。そのボールを一発でヒットにできれば、相手ピッチャーも嫌だろうし、リズムも狂ってくると思います。それに追い込まれると率が残せないというのは、データとしてありますから。やはり、相手投手の決め球を仕留めるというのは難しい。そういう意味で、僕は監督の考えと同じです。ただ、2打席目からはピッチャーのあとの打席になるので、初球から行きづらい面はあります。いずれにしても、ファーストストライクだからといって根拠なく振るのではなく、狙い球を絞って積極的に振っていけたらいいと考えています」

 20日の広島戦(横浜)も難敵・ジョンソンを攻略して10対0の快勝。ラミレス監督も「今シーズン、初めて完璧に近いゲームができた」と試合後に満面の笑みを浮かべた。この試合、初回に先頭の桑原がヒットで出塁すると、2番の石川雄洋が初球をレフト前にヒット。無死一、三塁で3番のロマックは初球をファウルにしたあと、カウント2-2から犠牲フライを放ち、あっという間に1点をもぎ取った。

「ジョンソンのようなタフな投手に対して、序盤に得点することで大きな流れを引き寄せられます。初回から積極的に動くことは、相手も予期していなかったでしょうし、それが勝ちにつながったと思います。これからも積極的な野球をしたいと思っていますし、この試合をターニングポイントとして勢いに乗っていきたいですね」(ラミレス監督)

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