中日の新大砲・ビシエドはウッズ、ブランコを超えられるか? (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 普段、外国人選手に辛口な解説者の山﨑武司氏も、開幕前からビシエドのバッティングを高く評価していた。

「メジャーでの実績もあるし、打ち方も上下のぶれがなく、ステップもそんなにしない。悪くない打ち方ですよ。あの打ち方を続けている限り、大きく崩れるとは思えない」

 同じく解説者の野村弘樹氏もビシエドのパワーと技術に舌を巻く。

「パワーのある外国人選手はこれまで何人も見てきましたが、結果を残してきた打者は逆方向にも強い打球が打てました。まさにビシエドもそのタイプで、引きつけて逆方向に打てる。変化球もしっかりさばけますし、パワーだけの選手ではないことは明らかです」

 そしてセ・リーグのライバル球団のコーチも、ビシエドについて警戒心を強めていた。

「久しぶりに中日でいい打者を見た感じがしたね。スイングが速いし、引っ張りだけでもない。オープン戦でライトに打ったホームランがあったんだけど、逆方向へあんなバカーンという強い打球は、あまり見たことがない。前に中日にいたタイロン・ウッズより打つかもしれないね」

 たしかに、このコーチが言うように、ビシエドは引っ張りだけの打者ではない。ここまで放った17本のヒットの内訳はこうだ。

レフト方向=5本
センター方向=8本
ライト方向=4本

 試合前の打撃練習でも、ほとんどがセンターを中心に逆方向に打ち返している。まだ10試合しか消化していないのだが、ビシエドには打率.350、40本塁打、120打点という夢のある数字を期待してしまう。

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