「大谷翔平はチャップマン級だ!」。ライバルが語る、今季の二刀流 (5ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

「ワクワクさせてくれますよね。もちろん真剣勝負なんですけど、『勝った、負けた』の白黒がはっきり出る投手なので、抑えられても納得できるんです。彼に対しては、正直、うらやましさがあります。僕の場合は、いま持っているものをどれだけ維持するかにさしかかっているのですが、大谷くんは今でもすごいのに、これからどんどん進化して、まだまだすごくなる存在ですから」

―― 今季の初対戦は、3打数2安打でした。

「2本のヒットについては何も思ってないです。地方球場(静岡・草薙球場)での試合でしたし、開幕したばかりなので探りながらのピッチングだったと思います。ただ、去年までは抑えられていたので、ひと冬越えて『あれ、今までと違うな』と大谷くんに感じてもらえるようにはしていきたいですね」

 その2度目の登板から2日後、東京ドームでの日本ハム対ソフトバンクの試合前のこと。大谷が打撃練習を始めると、周りの人間は足を止め、ただ口をポカンと開け打球の行方を見守っている。ものすごい打球が右中間の広告ボードにボカンボカンと直撃し、逆方向にも強烈なライナーを飛ばすのである。ちなみに、4月4日現在、打者としての大谷は5試合に出場し、11打数4安打(打率.364)、2本塁打、7打点の成績を残している。内川は言う。

「投手で10勝するだけでも素晴らしいのに、彼は打者としても年間でホームランを10本打ったことがあるし、打率も残せる。ひとりのなかにスーパーな人間がふたりいるみたいですよね。実際に、今年も打者としてオープン戦から結果を出しています。正直、ひとりの野球ファンとして『今後、どれくらいのところまで行きつくのか』という楽しみがあります」

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