解説者・森本稀哲がビックリ「オコエ選手は......すごい!」

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro寺崎敦●取材協力 cooperation by Terasaki Atsushi

 そしてこう続けた。

「シートノックは最もゲームに近い練習です。外野手がクッションボールを捕って、中継の内野手に投げて、中継がホームに返して......と、みんなでボールをつないでいく。これをキャンプのときからきっちりやり続けていたら、チームとして一体感が出てきます。それでシーズン中に『ちょっとおかしいな』という異変に、みんなで勘づけるんです。だから強いチームはシートノックをしっかりやっています。僕らも日本ハム時代、試合前に相手チームのノックを見て、スキを見つけたら『こんなチームには負けない』と言っていましたから」

 3月25日にプロ野球が開幕したが、気になるのは各球団の新戦力。森本がキャンプで見たなかで、驚くような新人選手はいなかったのだろうか。

「DeNAなら今永選手(昇太/駒澤大)は良かったし、熊原選手(健人/仙台大)のボールも力があって楽しみでした。日本ハムなら加藤選手(貴之/新日鐵住金かずさマジック)と井口選手(和朋/東農大北海道オホーツク)が、もうひと皮剥ければ計算できる投手になりそうですね。野手だと楽天の茂木選手(栄五郎/早稲田大)もバッティングが良くて楽しみな選手でした」

 そして、しばらく何かを考え込んだ森本は、「あっ!」と手を叩いて、「忘れてた。バツグンによかったのは、オコエ選手(瑠偉/関東一高)ですね!」と叫んだ。

「あの選手は......すごい! もちろん、間違いなく変化球で苦しむと思うんですよ。でも、それ以上にストレートを弾き返すあの力とか、もともと持っている体の力はすごいものがあるなと。何年か経てば、その力をうまく発揮できるようになると思います。いやぁ、ビックリしました」

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