オリックス金子千尋、5度目の開幕投手を前に語る「エース論」 (2ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― 当然、ペナントレースの行方を左右する試合は後半戦にやってきます。

「シーズン最終戦で勝てばクライマックス・シリーズ(CS)進出となった2011年や、ソフトバンクとの最終戦で勝利すれば優勝が大きく近づいた2014年。もちろん、どの試合も大事ですけど、ああいう試合から考えると......。だから、開幕は143分の1です。ある意味、自分に言い聞かせているところもあるんですけどね」

―― 開幕戦はエースが顔を揃えますが、金子投手が考える「エース論」とは?

「ありきたりですけど、負けないことです。このピッチャーが投げれば『今日は勝つ』と思われるのがエースです」

―― そこに当てはめると、これまでの金子千尋はどうですか。

「まったく重ならないですね。大事な勝負がかかったところで勝ち切れていない。そういう試合で結果を残せていませんから」

―― 先程も出ましたが、2011年の最終戦。その試合に先発したけど勝てず、CS進出を逃しました。

「大一番という試合をあまり経験していないという弱みもあると思います。周りからはエースと言ってもらっていますが、自分ではまったく思っていないというか、今のままでエースと呼ばれるのは、申し訳ないです」

―― これまでの野球人生のなかで、優勝した経験はありますか。

「ありません。高校2年のとき、センバツに出ましたけど、秋の県大会、地区大会ともに準優勝。夏も決勝まで進み、最終回の2アウト2ストライクまで勝っていたのですが、そこから追いつかれて、延長戦で負けてしまいました」

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