ヤクルトに拾われた男・坂口智隆が連覇の使者となる! (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

 2011年にはパ・リーグの年間最多安打のタイトルを獲得。しかし、2012年に痛めた右肩の故障が原因で、その後は出場機会も減り、成績も下降の一途をたどった。昨年のオフ、オリックスとの契約交渉で限度額を超えるダウン提示を受け、自ら退団を申し入れた。そしてヤクルトに「拾われる」形で入団となった。

 坂口の復調の理由はどこにあるのか。坂口は言う。

「そうですね、ユニフォームが違うので新鮮な気持ちでいられるというのはあるかもしれません。でも、ユニフォームが違うといっても野球することに変わりはないですから。自分としてはオープン戦とはいえ、こうやって試合に出続けられていることが大きいと思っています。ここ数年はそういう機会がなかったので。キャンプでもランニングやコンディショニングで自分を追い込むことができました。それは今の自分にすごく必要なことで、それでなくとも実戦から遠のいていたので、早い段階で試合に使ってくれることで体も実戦に馴染んでいけました。まだまだ試合に出ながら感じる課題もあるし、それを短いスパンで克服していきたいですね」

 シーズンに入っても、坂口がオープン戦の状態をキープできれば、ヤクルトは「出塁率の高い1番打者」という武器を手に入れることになる。相手チームにとっては脅威になるに違いない。なにしろ、1番・坂口、2番・川端慎吾、3番・山田哲人と、歴代の年間最多安打のタイトルホルダーが並び、さらにその後には昨年の打点王・畠山和洋と、2013年にシーズン60本塁打を記録したバレンティンが続くのだ。

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