阪神・西岡剛の自信「僕が試合に出ることが最大の補強になる」 (2ページ目)

  • 岡部充代●文 text by Okabe Mitsuyo
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

「自分を信じてますから。2年連続でケガしてるし、次やったら終わりだなというのはある。でも、いい意味で吹っ切れてるというか。なるようにしかならへんし、自分の力以上のものは出ない。そういう意味で、自分のいまの力を信じてやってるだけです」

 キャンプ中のインタビューで、西岡はこう言っていた。右ヒジの手術明けで不安を抱えながら臨んだ昨年のキャンプとは、体調はもちろん、精神状態も違う。和田豊前監督からサード転向を言われ、最終的にそうせざるを得ないと分かりながら、キャンプ打ち上げ前日までセカンドにこだわったという背景もあった。わがままを言っていたわけではなく、「サードではヒジが持たない」と考えたからなのだが、さまざまな要因が絡み合い、結果的に昨年のキャンプでは、厳しい表情の中に少なからず"悲壮感"も漂わせていた。

 そのときよりも状況はさらに悪化した。不振ではなくケガ、しかもプレー中のやむを得ないケガもあったとはいえ、2年連続で戦力になれなかったのだ。いまでこそ「自分を信じている」と言えるが、昨年5月、右ヒジのじん帯損傷で離脱した際は、さすがに心が折れかけた。引退も考え、両親に相談もしたという。

「ヒジをやったとき、今シーズンは無理やなと感じて......『もうええかな』って一瞬、考えました。野球選手に限らずスポーツ選手は、特に1回結果を残した選手は、ケガとか不調で結果を残せない時期が続くと、誰もが壁にぶち当たるし、精神的にもきついと思う」

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