山田哲人と杉村コーチの師弟コンビが目指す「とんでもない目標」 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Kopike Yoshihiro

 2014年シーズンは、杉村氏も一軍打撃コーチに就任。ここから山田の華々しいキャリアが始まるわけだが、この急成長の要因が“11種類のティーバッティング”にあることは間違いなく、山田と杉村コーチは2014年から昨年までの2シーズン、ホームゲームはもちろん、ビジターの試合でも早出のティーバッティングを欠かすことなく続けてきた。

 ヤクルトを指揮する真中満監督は、2年前は一軍チーフ打撃コーチとして、昨年は監督として、山田と杉村コーチの早出ティーバッティングを見守り続けてきた。真中監督は言う。

「山田はずっと試合に出場しながらやっていますからね。しんどいと思いますよ。ナイターの翌日のデーゲームのときに、スギさん(杉村コーチ)に『明日は休んだら』と言っても、『山田がやりたいと言っているので』って。僕はもう『じゃあやってください』としか……(笑)。まあ、ふたりとも根気強いというか、しつこいですよね。本当に『今日はもういいんじゃないの』というときでもティーをしていますから。でも、その積み重ねがあったからこそ、今の結果があるんでしょうね」

「継続は力なり」「流した汗は嘘をつかない」。黙々とティーでスイングする山田を見ていると、その言葉を痛感してしまう。ふたりの早出ティーバッティングは11種類というところに注目が集まるが、杉村コーチは「ティーのような単調な反復練習って、やり続けるのが大変なんですよ。でも、山田はやり続けることができる。そこが素晴らしいよね」と話す。

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