山田哲人と杉村コーチの師弟コンビが目指す「とんでもない目標」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Kopike Yoshihiro

 ここで山田のプロ入り後の成績を見てみたい。

2011年 一軍出場なし
2012年 26試合/打率.250/1本塁打/1打点/0盗塁
2013年 94試合/打率.283/3本塁打/26打点/9盗塁
2014年 143試合/打率.324/29本塁打/89打点/15盗塁
2015年 143試合/打率.329/38本塁打/100打点/34盗塁

 2013年に今日の山田を予兆させる気配があり、このシーズン途中に山田は当時、二軍打撃コーチだった杉村氏と出会った。最初の面談で「ホームランが打ちたい」という山田に対し、杉村コーチは「じゃあ50本から60本打てるのか。それより中距離打者として広角に打球を散らし、足を生かした方がいいんじゃないか」と答えたという。

「ホームランは20本でもいいだろうと言うと、山田は首をかしげて不機嫌な顔をしてね(笑)。それが去年は本塁打王ですからね。オレの見る目がなかったね(笑)」

 ふたりのイメージが合致しなかった最初の1カ月は二軍でも結果が出なかったが、ある日、こんなやり取りが交わされた。

「雨が降った日に突然、山田が『広角に打ちたい』と言ってきたんです。本人が納得したので、『じゃあ、そういう練習を始めよう』と、正しいスイングや練習の取り組み方など、試合後にもよく話すようになりました。それから二軍で打ち始めて、再び一軍に昇格していきました」(杉村コーチ)

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