「マシになりました」と笑顔。楽天・安樂智大の剛腕復活が近い! (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kyodo News

 その印象を安樂に伝えると「足立さんのキャッチングが良かったからですよ」と、26歳の社会人ルーキーに花を持たせた。しかし、実際に投球を受けている人間の見方は違った。足立は言う。

「印象としては、速くて、重い。ボールから勝手にミットに飛び込んでくるような感覚があります。いいボールだから音が鳴るのであって、僕のキャッチングがいいわけではありません」

 近鉄時代から数々の名投手のボールを受けてきた塚田ブルペン捕手も「今年はホームベースあたりで伸びてくるようなボールが増えた」と証言する。

 安樂自身もそれなりに手応えは感じているようだ。

「まだキャンプも序盤なので、僕としてはまず体をつくりたいと考えているのですが、そのなかで実戦を意識しながら首脳陣にアピールしていかないといけません。今はバランスと右ヒザの方向性を意識していて、その課題に取り組みながらにしては、納得のいくボールが増えてきたと思います」

「右ヒザの方向性」とは、投球する際に右足一本で立った後、ヒザを折らずに捕手に向けること。この課題は新任の与田剛コーチと二人三脚で取り組んでいる。与田コーチは言う。

「安樂はフォームについて積極的に質問してくるので、私はそのお手伝いをしています。昨年の秋季キャンプから軸足の使い方の話はしてきました。フォームを大きく変えることはまだ私もしたくないので、ちょっとした感覚に近い部分を安樂から聞いて、お互い共通認識が一致しているところから、少しずつ取り組んでいます」

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