【12球団分析・ヤクルト編】あの鉄壁リリーフ陣を再建できるか (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 鵜久森は一軍での実績はそれほどないが、二軍で通算84本塁打を放つなど、パンチ力のある打撃が魅力。済美高校時代は甲子園を沸かせ、プロ入り後も期待され続けた才能が開花すれば、長打力に乏しかった代打陣の切り札になれるはずだ。

 このように攻撃陣は明るい話題が多いが、一転して投手陣には不安がつきまとう。特に、トニー・バーネット、オーランド・ロマンの退団は、チームに大きな影響を及ぼすに違いない。

 昨シーズンのヤクルトの戦いぶりは、ほぼワンパターンといっていいほど確立されていた。先発が5回までなんとか粘り、6回から秋吉亮、ロマン、ローガン・オンドルセクとつなぎ、9回をバーネットが締める。小川SDも「彼らがいてくれたおかげで勝っている試合を確実にとることができた」と絶大な信頼を寄せていた。先制すれば確実に逃げ切れるという必勝パターンを確立したことが、優勝の大きな原動力になったのは言うまでもない。

 しかし、その鉄壁のリリーフ陣からふたりも抜けてしまった。おそらく、8回、9回は秋吉とオンドルセクが担うことになるだろうが、昨年のような戦い方に持ち込むには最低でもあとひとり絶対的なブルペン要員が必要になる。

 たとえば、新外国人のルイス・ペレスやジョシュ・ルーキがロマンのような役割を果たせるのか。それとも昨年の日本シリーズで中継ぎとして力強いピッチングを見せた石山泰稚が先発からリリーフに回るのか。2年目の竹下真吾にも期待したいところだ。

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