「野球の素晴らしさを伝えたい」。野球ものまね芸人たちの矜持 (5ページ目)

  • 菊地高弘●文・写真 text&photo by Kikuchi Takahiro

 そう言って、ます似は穏やかに微笑んだ。よしのBはまだネタこそできないものの、動画サイトで高橋由伸の映像を見ながら研究中だという。

 実は近年、野球選手のそっくりさんが驚くほど増殖している。清原和博(元西武ほか)のそっくりさん芸人=リトル清原は有名だが、他にも坂本勇人(巨人)のそっくりさん=さかとも、原辰徳(元巨人監督)のそっくりさん=原寅徳(とらのり)、片岡治大(巨人)のそっくりさん=ガタ岡、森野将彦(中日)のそっくりさん=もしもマサヒコ、鳥谷敬(阪神)のそっくりさん=小鳥谷、金本知憲(元阪神ほか)のそっくりさん=マネモト、関本賢太郎(元阪神)のそっくりさん=似関本、菊池涼介(広島)のそっくりさん=きくっち、内川聖一(ソフトバンク)のそっくりさん=うちっかわ、岸孝之(西武)のそっくりさん=獅子孝之、斎藤佑樹(日本ハム)のそっくりさん=ハンカチ玉子……などなど。

 2015年のオールスター戦では、ます似が音頭をとり「そっくりオールスター」という軍団を結成して、東京ドーム付近に集まって祭典に花を添えたこともある。

 ます似は「桑田真澄さんのように、野球の素晴らしさを伝えていきたい」と、その思いを語った。

「ドキュメンタリー番組で桑田さんの野球に対する思いを知って、野球ってなんて奥が深くて面白いんだと思いました。それから桑田さんの講演会に通い詰めて、野球を勉強しました。何度も講演を聞いたので、今では桑田さんと同じことをしゃべれますよ(笑)。桑田さんご本人にはそっくりさんとして『公認』をいただいて、僕が結婚するときには婚姻届の証人欄にサインまでいただきました」

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