【12球団分析・ロッテ編】凄腕の二軍コーチ陣が若手を覚醒させる (2ページ目)

  • 永田遼太郎●文 text by Nagata Ryotaro
  • photo by kyodo News

 一方のスタンリッジは、07年のシーズン途中に来日し、これまでソフトバンクと阪神で8年間プレー。特に近年は安定したピッチングを披露しており、計算できる投手として円熟味を増している。涌井、石川歩に続く先発三本柱のひとりとして大きな期待を集めるスタンリッジが加入したことで、残りの先発枠争いも一段とヒートアップしてきた。

 その座をうかがうのは、昨年9勝を挙げたイ・デウンと8勝の大嶺祐太の両右腕。さらに、昨シーズン終盤の活躍が光ったチェン・グァンユウと、古谷拓哉の両左腕も虎視眈々と先発ローテーション入りを狙っている。また、JR東日本からドラフト2位で入団した新人の関谷亮太も「開幕ローテーションに入りたい。しっかり競争に入って、勝てるようにしたい」と強気の姿勢を見せる。

 この他にも、飛躍が期待される3年目の二木康太、昨年7年目にしてプロ初勝利を挙げた木村雄太、復活が待たれる唐川侑己と藤岡貴裕など、たとえ当初描いた投手起用が首脳陣の思惑通りにいかなくても、それに代わることができそうな投手はいくらでもいる。長いシーズンを戦う上でこの戦力の厚みは強力な武器になるに違いない。

 そして今年のロッテには、もうひとつ大きなテーマがある。それは新人をはじめとする若手選手の育成だ。特に今季は、昨年夏の甲子園を沸かせた平沢大河、成田翔、原嵩が入団した。今江、クルーズの抜けた穴には、中村奨吾、三木亮、高濱卓也、香月一也らの若手がしのぎを削っており、この中から誰もが認めるレギュラーになる選手が出てくれば、チームの可能性は一気に広がるだろう。

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