【12球団分析・広島編】マエケンロスより深刻。リリーフをどうする? (3ページ目)

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 岡田は、首脳陣のそんな思いに応えてくれそうな力強いボールを合同自主トレの段階から披露してきた。過去に小林幹英や永川勝浩などが、新人ながら「勝利の方程式」に組み込まれチームを勝利に導いてきたように、岡田も彼らのように勝利の担い手となれるのかどうか注目が集まる。

 当然、投手だけでなく打線のテコ入れも必要になる。昨シーズンの広島打線は、506得点(リーグ3位)、チーム打率.246(リーグ4位)と、数字自体はそれほど落胆するような内容ではないが、「勝負どころの一打」が出ずに投手陣を助けられない試合が多かった。その証拠に1点差負けは26試合を数えた。

 昨シーズン終了後、エルドレッドを除く外国人3選手と契約を更新せず、新たにジェイソン・プライディと中日で3年間プレーしたエクトル・ルナを獲得した。

 プライディは昨年、アスレチックス傘下3Aで打率.310、20本塁打、89打点、20盗塁をマークするなど、走攻守三拍子揃った外野手だ。球団幹部も「ヘッドが効いたシュアなバッティングをする。3Aで20本塁打を打つなど長打力もあるし、日本ではもっといい成績を残せるのではないか」と期待する。

 また、これまで広島は国内の他球団から外国人選手をほとんど獲得してこなかったが、それだけにルナの獲得はチームにとってピンポイントの補強だった。計算できる打者が中軸に座ることで周りに与える影響も大きく、昨シーズン不振を極めた菊地涼介や丸佳浩の負担も軽減されるだろう。

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