【12球団分析・オリックス編】糸井の「トリプルスリー宣言」は本気 (3ページ目)

  • 波佐間崇晃●文 text by Hazama Takaaki
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 今季から一軍投手コーチに就任した酒井勉コーチは「今までの概念にとらわれない」と平野佳や岸田護らの先発転向の可能性も示唆しており、選手の配置転換も予想される。では方程式のカギとなるクローザーはいったい誰が務めるのか。やはり、昨シーズン終了までセーブシチュエーションで投げていた佐藤達が本命と言えるだろう。序盤は腰痛の影響からストレートが走らず失点する場面が目立ったが、徐々に速球の勢いを取り戻してきた。最終的に防御率は3.22で落ち着き、チーム最多の13セーブを上げた。

 そして、現時点でもうひとりのクローザー候補と目されているのが、新加入の右腕エリック・コーディエだ。191センチの身長と100マイル(約160キロ)に迫る速球が売りで、近年はメジャーとマイナーでリリーフを務めていた。

 この他にも中継ぎは明るい話題が多く、ケガを乗り越え戻ってきた小松聖は昨季12試合を投げて防御率2.51。塚原頌平は41試合で防御率3.30という成績を残し、貴重な中継ぎ左腕の海田智行は48試合で防御率2.61と復活。岸田も50試合に登板した。枚数はそろっているだけに、キャンプとオープン戦を経てどんなパターンの「方程式」が構築されるのか。

 昨シーズンのオリックスは故障者が続出するなど「悪いことが重なった」が、それによって見えてきたものもあった。

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