谷繁元信が盟友に明かす「引退の経緯と最後に見せた涙のわけ」 (4ページ目)

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva 寺崎敦●取材協力 cooperation by Terasaki Atsushi
  • 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

野村 でも本当にようやったよ。そこまでやってきたんだからね。僕らからすれば1年でも長く現役を続けてくれたらいいなとは思うけど、「まだやってくれよ」という思いはない。体の状態から何から、シゲが一番わかっていただろうからね。本当によくやったよ。

谷繁 体の状態を考えると、監督を受けた時点で「あと2年だろうな」っていう思いはあったんですよね。もちろん、うまくことが運べばその先も考えようとは思っていましたけどね。ただ、去年のオフに自主トレをやっている時に、正直、メニューをこなすことがキツくなっていたんです。来年も同じ練習をもう一回できるかといったら……。その時点で「多分来年は無理だろうな」とは覚悟をしていました。

野村 5月に秋田でのヤクルト戦の時にベンチ前でシゲと話したけど、あの時もだいぶつらそうだったよね。引退を決意した瞬間ってあったの?

谷繁 これは徐々にですね。昨シーズンはまず自主トレで足を痛めてしまい、続いてキャンプでふくらはぎを軽く肉離れしてしまいました。それでも、ごまかしながらやってギリギリ開幕に間に合いそうだと思っていたら、オープン戦で今度は肩が痛くなって……そこから肩を徐々に作り直すんですけど、これがなかなか自分の思うレベルに戻ってこない。セカンドスローも自分のイメージするラインがあるんですけど、それよりかなり上のラインじゃないとセカンドまで届かない状況になっていましたからね。

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