【12球団分析・日本ハム編】大谷にも影響。近藤健介は捕手で使うべきか (2ページ目)

  • 石井祥一●文 text by Ishii Shoichi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 先発、リリーフとも左腕不足が気になるが、昨年のドラフトでは1位で上原健太、2位で加藤貴之と即戦力のサウスポーを獲得。補強に抜かりはない。

 投手陣は全体的に若く、将来性豊かな構成だ。問題はその若い投手陣をリードする捕手だ。正捕手候補の1番手は、リード面で信頼が厚い大野奨太だが、昨シーズンの打率は.194と頼りない。さらに、慢性的な右ヒジ痛を抱えており、すべての試合を任せるには不安が残る。

 チームとしては昨シーズン後半に"打者・大谷"を押しのけ、DHとしてレギュラーに定着し、リーグ3位の打率.326をマークした近藤健介に期待したいところ。まさに「打てる捕手」の筆頭候補だが、一昨年から続く重度の送球イップスからいまだ抜け出せないでいる。昨年も前半戦はマスクを被る機会も多かったが、盗塁阻止率は1割台に低迷し、7月からは捕手としての出場機会は激減した。

 2014年もシーズン途中からサードやショートで出場するなど、捕手としては信頼が薄いのが現状だ。「今季こそ捕手で出ないといけない」と本職でのレギュラー獲りを目指しているが、その想いとは裏腹に片岡篤史、金子誠ら歴代の名内野手が背負ってきた背番号「8」をつけることになった。

 日本ハムの野手陣を見ると、一塁にはチーム打点王の中田翔、二塁には田中賢介、三塁にはチームトップの34本塁打を放ったブランドン・レアード、遊撃には盗塁王の中島卓也と磐石。外野手も陽岱鋼を中心に、岡大海、浅間大基、西川遥輝、杉谷拳士と揃う。捕手での出場機会を得られなければ昨季に続いてDHでの出場が濃厚となるだけに、近藤の正捕手獲りの成否は、大谷の二刀流の行方にも大きな影響を与えることになるだろう。

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