【12球団分析・DeNA編】正捕手争いを制するのは誰だ? (2ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 この投手陣を含めたセンターラインの強化がDeNAの最大の課題であるが、ラミレス監督は梶谷隆幸をセンターに、石川雄洋をセカンドに固定すると明言している。ショートは白崎浩之、倉本寿彦、山崎憲晴、そしてルーキーの柴田竜拓で競い合わせる方針だ。

 ラミレス監督は先日の新人合同自主トレで柴田のたぐい稀な守備センスに高い評価を与えていたが、やはり即戦力としてカギになるのは打力。昨シーズン、社会人ナンバーワン遊撃手として入団した倉本は、守備では一定の評価を受けたものの、打撃で苦しみレギュラー獲得とはならなかった。それだけに守備だけでなく打撃力でどこまでアピールできるのか。これは白崎、倉本、山崎にとっても同じ課題だ。

 そして昨シーズン、プロ野球タイ記録となる68暴投に絡んでしまったキャッチャー陣は、昨年スタメンを争った黒羽根利規、嶺井博希、高城俊人にルーキー戸柱恭孝を加えた4人の競争になる。すでにラミレス監督は、一軍は「正捕手1名、控え捕手1名」でいくという構想を明らかにしている。これはすなわち、正捕手争いに敗れれば、出場機会を大きく失うことを意味する。昨シーズンもっとも出場試合数の多かった嶺井にしても、うかうかしてはいられない。

 新加入の選手たちが、昨年の山﨑康晃のように額面以上の活躍をしてくれれば上位を争えるチームになることも可能だが、あまりにも未知数な部分が多く、現時点で確実なことは言えない。

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