今江敏晃「楽天に行ってもロッテのガムは噛み続けます」 (5ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kyodo News

 2005年に打率.310をマークしてブレークした今江は、続く2006、2007年は2割5分前後と低迷した。2008年には高橋慶彦コーチ(来季よりオリックスコーチ)のアドバイスを受けて、スタンスを極端に広げるフォームに変更すると、打率.309と活躍。「今までよりもボールを下から見る感覚を得て、突っ込むことがなくなった」と手応えを得たが、翌2009年は打率.247と再び下降。以降も今江は絶えず細かな変化を繰り返している。

 2015年は死球を受けて左手を骨折した影響もあり、98試合の出場にとどまった。気がかりなのは、打率は.287とまずまずの成績だったものの、本塁打がわずか1本だったことだ。

「今年は結果を欲しがって、手でパチンと打ちにいくような打ち方でした。でも来年はしっかり振ろうと練習していて、ここまでは近年にないくらい手応えをつかんでいます。かなりいい方向に行っているんじゃないかな」

 一年一年、そして一日一日、変化を続ける今江敏晃。そして今度は環境が大きく変わる2016年に、果たしてどんな変化を見せてくれるのだろうか。興味は尽きない。

 一方で、変わらないこともある。今江といえば、試合中にチューインガムをふくらませているシーンを記憶しているファンも多いことだろう。この習慣は楽天移籍後も継続するという。

「僕は攻撃中と守備中に1イニングで2枚ガムを噛むので、1試合で最低18枚はガムを噛んでいるんです。試合中に風船をふくらませて、パチパチ割ることでリラックスできるんですよ」

 もはや一種のルーティンと化したガム。今江は楽天に移籍しても、これまでと同じように「ロッテ社製」のガムを噛み続けるという。

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