反重力か? 武田翔太の「2回曲がる変化球」に大谷翔平も驚愕 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 肩周りを鍛えた結果、ストレートの質は故障前よりも大きく向上したという。今までは当てられていたストレートに、打者が振り遅れるようになった。そこへ代名詞のドロップカーブが余計に威力を増し、武田は難攻不落の投手になっていく。

 プロ3年目のレギュラーシーズンは3勝にとどまったものの、日本シリーズでは第2戦に先発して、7回1失点の好投で勝利投手に。優秀選手賞も受賞した。

 そして迎えた2015年。武田はさらなる進化を遂げる。春先に、下半身の使い方で今までにない感覚をつかむことができたのだ。

「今まで、下半身を『使おう』としていたんですけど、下半身は使うものじゃなくて、『使われる』ものなんだな、ということに気づきました。ポイントまで持っていってやれば、あとは自動的に『使われる』」

 武田の言う「ポイント」は3つあるという。それは「方向」「目線」「タイミング」。これらが合致した瞬間、武田の下半身は自動的に「使われる」ようになる。すべて武田のフィーリングではあるのだが、「方向」とは何か、具体的に聞いてみた。

「向かっていく方向なんですけど、要は腰が入るポイントですね。足を上げて、ポーンと(体重移動をして)いって、腰をどこまで残すか。この感覚を常に一定にします」

 下半身の使い方をつかんだことによって、もともとの長所である上半身がより連動して使えるようになり、安定したパフォーマンスを発揮できるようになった。

2 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る