山本昌が語る「ラジコンとV12エンジンと肩甲骨」の奥深き世界 (4ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 小内慎司●写真 photo by Kouchi Shinji

山﨑 だから、山本さんは断言するんですよ。全部わかるんです。「アイツ、今年絶対よくなるよ」「コイツは投げ方が悪くなってる」って、そういう予想も外さない。投げることに関してすべて把握しているから言えるんだろうね。

山本 いやいやそこまでじゃないよ……ただ、何ていうのかなぁ……「あ、理にかなっているな」とか、「あ、力が出ている投げ方だな」とかそういうのは見ていてわかる。あとはなんだろう、フォームを見ればだいたいの持ち球がわかりますね。

山﨑 ね、変態でしょ?

—— はい。

山本 でも僕は投げることに関してはひとつしか言わないので簡単ですよ。ヒジは自分で上げずに、ボールで上げろ。それだけです。

山﨑 ちょっと聞いて見ましょうか。

山本 ボールは体の外側を向いていれば、ヒジは勝手に上がる……ってことを言いたいだけなんですけどね。こう親指が外を向くことで肩甲骨が開くわけです。肩甲骨をその投げたいとこに寄せていって……。

山﨑 この人は投げる時に「肩甲骨を開け」って言うんですけど、そんな動きは体にないわけ。投げる時には肩甲骨が開くっていうんですけど、オレらにはわからない。

山本 いや、ほとんどのピッチャーはできているんです。簡単なんですよ。それを言葉にしていないだけで。ただ、指導者の方は“ヒジを上げろ”とは言わない方がいい。肩が回らなくなるので、ボールの勢い、重さで回すということを意識させた方がいいと思います。ボールは体から離れなきゃダメなんです。投げるたびにボールを追うのはダメ。ボールを置いて、その反動で上がるんです。

山﨑 ……変態でしょ?

—— はい。

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