山本昌が盟友・山﨑武司に語った「引退後の不安」 (6ページ目)

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva
  • 小内慎司●写真 photo by Kouchi Shinji

山本 僕にだけはいつも敬語を使ってくれるよね。でも若い時からね、ホントにいろんな話をしてきたよね。ふたりの得意技は“傷の舐め合い”だからね(笑)。

山﨑 「オレ、もう辞めるわ」と言って、何十年とやってきた(笑)。

山本 でも傷の舐め合いって、ネガティブなイメージがあるけど、ちゃんとした相手がいれば意外とスッキリするんだよね。ジャイがドラゴンズを出て、違うチームに移籍した後も電話が来る。僕も過渡期に来てどうだこうだと、ね(笑)。

山﨑 でも最後は、山本さんが頑張っているから頑張ろうって思えるんですよ。それで32年間現役を続けるってとんでもねぇことをやっちまった。ファンの人たちはいい面しか見えていないと思いますけど、若い頃なんてとんでもねぇ冷や飯を食ってきた人ですからね。

山本 お互いに、アメリカに島流しにあったり、冷や飯は食ったよねぇ。僕の方が先に一軍の試合には出たけど、ジャイは6、7年までは一軍と二軍を行ったり来たりで……大変な時代だったよね。

山﨑 僕らが経験してきたことって今の若い選手は想像もできないと思いますよ。僕らは突き放されて、突き放されて、必死で何かを掴んでいくっていうやり方でしたからね。そういう環境で育ってきたからこそ、ここまで長くやることができたということもあるかもしれませんけどね。そういう部分は、星野(仙一)さんも評価できるんだよなぁ。

山本 ……講演ではこういう感じで炸裂させているんだろうね(笑)。こりゃ、みんな笑うよなぁ。ありがとう。参考になったよ。

対談(2)につづく


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