巨人ドラフト秘話。単独1位・桜井俊貴のどこに惚れ込んだのか (4ページ目)

  • 高松正人●文 text by Takamatsu Masato
  • photo by Kyodo News

「あの投げっぷりは素晴らしかった。直球だけでなく、チェンジアップ、スプリットなどの変化球もよかった。大事な試合であれだけの内容の投球ができるのだからたいしたものです」

 結局、この試合でのピッチングが最終的な「1位指名」の決め手となった。

 ドラフト指名後、桜井は大学最後のリーグ戦を制し、地区予選も勝ち抜き、明治神宮大会へ駒を進めた。初戦の東北福祉大戦には高橋監督も訪れ、ドラフト1位右腕の投球を見守った。桜井は高橋監督の存在に気づいていなかったようだが、この試合で大会タイ記録となる18奪三振の快投。そのピッチングを見ていた高橋監督の表情から笑みがこぼれたのは言うまでもない。

 桜井を高校時代から見てきた巨人スカウトは、追い続けてきたからこそわかる「成長力」と「将来性」に確固たる自信があった。なにより、桜井自身の努力を惜しまない野球への真摯な姿勢が「1位指名」を生んだのだ。

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