屈辱を財産に。非難ゴウゴウの小久保監督に世界の名将が贈る言葉 (3ページ目)

  • 永塚和志●文 text by Nagatsuka Kazushi
  • photo by Getty Images

 コミュニケーションの重要性をランドルフが説く。

「戦術的なことはもちろん大事だが、最も重要なのは選手たちのことを知ることだ。プレーするのは選手たちだからね。だから、私にとっては選手たちのことを把握することで、クラブハウス(ロッカールーム)をコントロールできるし、チームの一員であることをわかってもらえるんだ」

 これは今の時代において、なおさら大事なことだとランドルフは言う。

「私が選手だった頃はそうじゃなかった。昔は、監督に言われたことを黙って聞いて、それを実行するだけだった。でも今の選手たちは、役割を明確に教えてあげなければならない」

 今回、ランドルフのもとで三塁コーチを担ったアンソニー・サンダースは、01年にわずか1年だけだが横浜(現・横浜DeNA)でプレーした経験を持つ。現在はコロラド・ロッキーズ傘下のマイナーリーグのチームで監督をしているが、ゆくゆくはメジャーの監督を目指している。

 サンダースにも監督の資質についての質問をぶつけると、「最も大事なことは野球に関する知識」と答えた。「野球を理解し、選手たちが結果を出すためにどうすべきかを考えること」と。要するに、野球を理解し、選手を知るという点で、ランドルフと同じ考えである。

 また、初代王者となった韓国の金寅植(キム・インシク)監督は決勝戦のあと、次のように語っていた。

「今回は戦う前からたくさんの戦略を用意していました。それを選手たちが理解し、十分に準備してくれた。それがいい結果につながった」

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