2015.11.28

屈辱を財産に。非難ゴウゴウの小久保監督に世界の名将が贈る言葉

  • 永塚和志●文 text by Nagatsuka Kazushi
  • photo by Getty Images

 ランドルフだけでなく、メジャーリーグの監督を見ると、ほとんどがそれ以前にマイナーリーグで指導者経験を積むのが当たり前となっている。なかには、マイク・マシーニー(元セントルイス・カージナルス監督)のようにコーチ経験なく監督になった例もあるが、かなり稀である。

「誰もが通る道さ」と61歳のランドルフは言い、こう続けた。

「もちろん人によって資質は違うし、置かれる状況も違う。しかし、いかなるシチュエーションであれ、経験こそがいい監督にしてくれるのは間違いない。私の場合であれば、三塁コーチやベンチコーチも経験したし、その間、名将と呼ばれる監督に仕えることができた。だから、メッツの監督になった時はスムーズにできたし、十分準備ができていると感じていたよ」

 野球というスポーツは、他のスポーツとは性質を異にするところがある。団体競技でありながら味方同士がパスを交換するような直接的なやり取りは少なく、逆に個人の力量が勝敗を左右する部分があるからだ。

 その中で、ランドルフがチームを指揮する上で最も必要なことは「コミュニケーション力」だという。今回のプレミア12はマイナーリーグ所属の若手が中心のチームで、しかも招集されたのは大会直前だった。そうした状況ではあったが、ある選手は決勝戦のあと、「招集された時は初めて出会った選手ばかりだったのに、今では昔から一緒にプレーしているような結束力を感じた」と語った。