元世界一・里崎智也に聞く「日本代表の正捕手をどう育てるか?」 (5ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Getty Images

 これだけ打てる捕手がいなくなった背景には、コンバートがあると思うんです。守備は一軍レベルに届いてないけど、バッティングは魅力的だから使いたい。捕手として育てたいという理想はあっても、負けが続いてしまうとそれができなくなる。要するに、監督は勝つことを求められますから、試合で鍛えるということができなくなるんですよね。捕手として使うのなら、二軍でスキルを身につけるのがいいのですが、その我慢もできない。結局、コンバートさせるのが手っ取り早くなってしまうんですよね。

 近藤健介(日本ハム)や岡島豪郎(楽天)、遡(さかのぼ)れば、和田一浩さんや小笠原道大さん、山﨑武司さんなど、打てる捕手になれる逸材はいっぱいいたんです。でも、みんな捕手として一人前になる前にコンバートされてしまった。森友哉(西武)もこの先、捕手としてやっていくかわかりません。彼のような選手を捕手として育てることがチームとしてというより、日本球界の使命だと思うんですよね。本人にやる気があれば、まだまだ間に合うと思います。

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