元世界一・里崎智也に聞く「日本代表の正捕手をどう育てるか?」 (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Getty Images

 たとえば、同リーグの対戦相手は5球団ですよね。野手は1チーム13~14人ぐらいですから5×14で70人。今は交流戦もあるので、レギュラークラス9人と6球団で54人。合わせると大体120人ぐらいですね。この選手たちの長所、短所、カウント別傾向、打球方向、左右投手に対しての傾向など、これらを100%とは言わないけど、最低でも80%ぐらいは頭の中に入っていなければいけない。残りの20%はメモを見ればいいんです。これがあって、初めて打者と駆け引きができるわけです。

 打者との対決は、すべて駆け引きなんですよ。速い球を狙っているのか、変化球を狙っているのか、引っ張ろうとしているのか、逆方向に打とうとしているのか。そうした情報が毎試合、毎打席、アップデートされていくわけですよね。その積み重ねがリードに生かされるわけです。

 とはいえ、どれだけ勉強して、どれだけ考えたリードをしても、勝たなければ評価されません。その点、バッティングは勝とうが、負けようが、打てば評価されるわけです。

 ただ、僕は捕手としては打てると言われていただけで、実際、サードだったら物足りない数字だったと思います。もともと、捕手は打撃の評価が低いのですが、今は「しっかり守ってくれればいいよ」くらいのレベルになっているような気がします。これが悪循環になっているのか、誰も打たないから他の選手も変に安心している。もし打てる捕手が何人か出てくれば、変わってくると思いますよ。打てないと、ベストナインなどの賞にも絡めなくなるので……。

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